絵の具を使った人物画で、リアルな肌色を表現できず悩んでいませんか?この記事では、小学生や中学生にもわかる、簡単な絵の具での肌色の作り方について詳しく解説します。三原色の組み合わせだけで作る方法から、水彩絵の具やアクリル絵の具といった画材ごとのコツ、透明感を出す白なしのテクニックまで網羅。また、うすだいだい色とは何色ですか?といった基本的な疑問にもお答えし、誰もが理想の肌色を再現できるようサポートします。
- 基本的な肌色の作り方がわかる
- 画材別の肌色表現のコツがわかる
- リアルな肌感を出す応用テクニックがわかる
- 年齢やレベルに合わせた作り方がわかる
基本となる絵の具の肌色の作り方
- 誰でも簡単!基本の3色で作る肌色
- 三原色だけで作る健康的な肌色
- 色の組み合わせで肌の色味を調整するコツ
- うすだいだい色とは何色ですか?という疑問
- 透明感を出す白なしの肌色表現
誰でも簡単!基本の3色で作る肌色

絵の具で肌色を作る最も基本的な方法は、「赤・黄・白」の3色を混ぜることです。この3色さえあれば、誰でも簡単に基本的な肌色を再現できます。
なぜなら、日本人の肌は黄色みを帯びており、そこに赤で血色を加え、白で明るさを調整することで、自然な肌の色合いに近づけることができるからです。まずはこの3色をパレットの上に出して、少しずつ混ぜてみましょう。
基本的な配合比率と手順
いきなり多くの絵の具を混ぜるのではなく、まずは白色をベースにして、そこに黄色と赤色を少量ずつ加えていくのが失敗しにくいポイントです。色の変化を確かめながら、理想の肌色に近づけていきます。
基本の肌色を作る手順
- パレットに多めの白を出す。
- 黄色を白の4分の1程度の量で加え、よく混ぜる。
- 赤色を爪楊枝の先で取るくらいの、ごく少量加えて混ぜ、色味を調整する。
色の配合比率を変えることで、さまざまな肌の色合いを表現できます。以下に目安となる比率の例をまとめました。
| 表現したい肌色 | 白 | 黄 | 赤 | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 標準的な肌色 | 4 | 1 | ごく少量 | 最も基本的な比率です。まずはここから試しましょう。 |
| 色白の肌 | 5 | 1 | さらに少量 | 白の比率を増やし、赤を抑えることで明るく透明感が出ます。 |
| 健康的な肌色 | 4 | 1.5 | 少量 | 黄色の比率を少し上げると、元気で健康的な印象になります。 |
最初は色の調整が難しく感じるかもしれませんが、焦らず少しずつ色を足していくのがコツですよ。一気に混ぜると、色が濃くなりすぎて元に戻せなくなるので注意してくださいね。
三原色だけで作る健康的な肌色

絵の具の基本である「赤・黄・青」の三原色だけでも、肌色を作ることは可能です。この方法は、特に少し日焼けしたような、健康的で自然な肌色を表現するのに適しています。
白を使わないため、絵の具本来の発色を活かした、深みのある色合いになるのが特徴です。ただし、色の調整は少し難しくなります。
三原色で作る手順
三原色で肌色を作る場合、青の使い方が非常に重要です。青は色を落ち着かせ、影の色を作る役割がありますが、入れすぎると一気に色がくすんでしまうため、細心の注意が必要です。
手順としては、まず赤と黄色でオレンジ色を作り、そこに青を微量加えて茶色系の色を作ります。これが肌色のベースとなります。
三原色で作る肌色の手順
- 赤と黄色を「1:2」程度の割合で混ぜ、オレンジ色を作る。
- 作ったオレンジ色に、青をほんの少しだけ混ぜて茶色に近づける。
- 最後に水を加えて、色の濃さを調整する。
青の量に注意
青を混ぜる際は、一度別の場所でオレンジと混ぜてみて、色の変化を確認してから全体に加えるのがおすすめです。直接加えると、色が濁ってしまい、修正が困難になる場合があります。
この方法で作った肌色は、影の部分にそのまま青を少し足すことで、自然な陰影を表現できるというメリットもあります。
色の組み合わせで肌の色味を調整するコツ

基本の肌色が作れるようになったら、次は色の組み合わせを工夫して、よりリアルで多彩な肌の色味を表現してみましょう。ほんの少し他の色を加えるだけで、人物の印象は大きく変わります。
色白の肌・青みがかった肌の表現
透き通るような色白の肌や、涼しげな印象の肌を表現したい場合は、基本の肌色にごく少量の青や紫を混ぜてみましょう。これにより、肌に透明感が生まれ、クールな印象を与えることができます。特に、顔の影になる部分や、血管が透けて見えるような箇所に使うと効果的です。
日焼けした肌・温かみのある肌の表現
一方で、夏の日差しを浴びた健康的な肌や、温かみのある肌を表現するには、オレンジや茶色(バーントシェンナなど)を少し加えるのがおすすめです。これにより、肌の血色が良く見え、生き生きとした印象になります。男性の肌や、屋外にいる人物を描く際に役立つテクニックです。
補色を混ぜて深みを出す
肌の影の部分に、肌のベースカラーの補色(反対色)である「緑」を微量混ぜると、色に深みが出て、より立体的な表現が可能になります。ただし、これも入れすぎるとくすみの原因になるため、慎重に試してみてください。
このように、基本色に様々な色を少しずつ加えることで、表現の幅は無限に広がります。描きたい人物のイメージに合わせて、最適な色の組み合わせを探求するのも絵を描く楽しみの一つです。
うすだいだい色とは何色ですか?という疑問

絵の具セットの中にある「うすだいだい色」について、これがどのような色なのか疑問に思ったことはありませんか?実はこの色は、かつて「はだいろ(肌色)」と呼ばれていた色と同じものです。
しかし、肌の色は人それぞれ多様であるという考え方から、2000年頃に特定の肌の色を「肌色」と呼ぶのは適切ではないとされ、各メーカーで名称が変更されました。現在では、ぺんてるでは「ペールオレンジ」、サクラクレパスでは「うすだいだい」といった名称で販売されています。
市販の肌色を使うメリット・デメリット
市販の「うすだいだい色」は、チューブから出してすぐに使えるため、非常に手軽で便利なのが最大のメリットです。特に、広範囲を均一な色で塗りたい場合や、時間をかけずに描きたい場合には重宝します。
ただ、その一方でデメリットも存在します。単色で塗ると、どうしても単調で深みのない表現になりがちです。リアルな人物画を描くためには、この市販の色をベースに、赤や黄色、青などを混ぜて自分で色を調整する必要があります。
市販の色はあくまで「ベースカラー」の一つと考えると良いでしょう。これにひと手間加えることで、あなたの描く人物はもっと生き生きとしてきますよ。
透明感を出す白なしの肌色表現

特に透明水彩絵の具を使う際に、ぜひ試していただきたいのが「白を使わない」肌色の表現方法です。透明水彩の最大の魅力である「透明感」を最大限に活かすことができます。
では、白を使わずにどうやって肌の明るさを表現するのでしょうか?答えは、「水の量」と「紙の白さ」にあります。
絵の具に加える水の量を多くすれば色は薄く、少なくすれば濃くなります。この水の量による濃淡のコントロールと、光が当たって最も明るく見える部分をあえて塗らずに「紙の白」を残すことで、透明感と輝きのある肌を表現するのです。
白なしで透明感を出すポイント
- 明るい部分:水の量を多くして色を薄く塗るか、全く塗らずに紙の白を残す。
- 暗い部分:水の量を少なくして濃い色を置くか、色を乾かしてから重ね塗り(重色)する。
不透明な白は透明感を損なう
透明水彩絵の具セットに含まれる「白(ホワイト)」は、多くの場合、下の色を覆い隠す性質を持つ不透明色です。これを混ぜると、せっかくの透明感が失われ、色が濁ったように見えてしまうため、多用は避けるのが一般的です。
この技法は少し練習が必要ですが、マスターすれば水彩画ならではの、光を感じるような美しい肌を描けるようになります。
応用編・絵の具の肌色の作り方のコツ
- 水彩絵の具での透明感ある肌の塗り方
- アクリル絵の具で描くキャラクターの肌
- 小学生にもわかる肌色の混ぜ方
- 中学生が知りたいリアルな肌色の表現
水彩絵の具での透明感ある肌の塗り方

前述の通り、水彩絵の具で肌を塗る際は、透明感を活かすことが非常に重要です。そのためには、「混色」だけでなく「重色(じゅうしょく)」という技法を理解する必要があります。
- 混色:パレットの上で絵の具を混ぜて色を作ること。
- 重色:キャンバスや紙の上で、乾いた色の層の上に別の色を重ねて深みを出すこと。
透明水彩では、この重色を効果的に使うことで、肌の微妙な色の変化や立体感を表現します。
重色を使った肌の塗り方
例えば、頬の赤みを表現する場合、パレットでピンク色を作って塗るのではなく、最初に薄い黄系の肌色を全体に塗り、それが完全に乾いてから、上から薄めた赤系の色を重ねるといった手順を踏みます。
こうすることで、下の黄色が透けて見え、単にピンクを塗るよりも深みと自然な血色感のある肌になります。
重色の手順例
- まず、イエローオーカーなどの黄色系の色を水で薄め、顔全体に基本色として塗る。
- 完全に乾くのを待つ。(ドライヤーを使うと時間短縮になります)
- オペラピンクなどの赤系の色を薄め、頬や鼻先、唇などに重ねる。
- 影になる部分には、セルリアンブルーなどの青系の色を薄く重ね、立体感を出す。
重色のポイントは、各レイヤーを「完全に乾かしてから」次の色を重ねることです。生乾きの状態で重ねると色が濁ってしまうので、焦らずじっくり取り組むことが大切ですよ。
アクリル絵の具で描くキャラクターの肌

アクリル絵の具は、水彩絵の具とは異なる特性を持っています。乾きが早く、乾くと耐水性になり、下の色を完全に覆い隠すことができる不透明な発色が特徴です。この特性は、特にアニメキャラクターやイラストの肌を塗る際に非常に有利に働きます。
アクリル絵の具のメリット
アクリル絵の具の最大のメリットは、修正が容易な点です。もし色を間違えたり、はみ出してしまったりしても、絵の具が乾けばその上から新しい色を重ねて完全に隠すことができます。これにより、くっきりとした境界線を持つ、いわゆる「アニメ塗り」がしやすくなります。
また、速乾性のため、作業をテンポ良く進められるのも魅力です。
アクリルでの肌の塗り方
基本的な色の作り方は水彩絵の具と同じで、「赤・黄・白」を混ぜて作ります。作った肌色でまず全体を塗りつぶし、その後に影の色を重ねていきます。
影の色は、ベースの肌色に茶色や紫を少し混ぜて作ります。水彩絵の具のようにぼかすのではなく、影の形をくっきりと塗り分けることで、イラストらしいメリハリのある仕上がりになります。
パレットの上で固まらないように注意
アクリル絵の具は乾燥が非常に速いため、パレットに出した絵の具が作業中に固まってしまうことがあります。こまめに霧吹きで湿らせるか、少量ずつ出して使うようにしましょう。「ウェットパレット」という専用の道具を使うのもおすすめです。
小学生にもわかる肌色の混ぜ方

小学生が人物の絵を描くとき、肌色づくりは最初の関門かもしれません。ここでは、子どもでも覚えやすく、失敗しにくい肌色の作り方を紹介します。
一番大切なのは、「少しずつ混ぜる」という感覚を覚えることです。そのための合言葉として、次のように伝えてあげると分かりやすいでしょう。
肌色づくりの合言葉
「白がいっぱい、黄色がちょっと、赤はほんのちょっぴり!」
この合言葉は、色の比率を感覚的に理解するのに役立ちます。
親子で楽しむ混色遊び

まずは、パレットの広い部分に白色の絵の具をたっぷり出します。次に、その隣に少しだけ黄色を出して混ぜてみましょう。クリーム色のような色になったら、今度は爪楊枝の先や筆の端っこで赤色をほんの少しだけ取って、混ぜてみます。
赤い絵の具はとても色が強いので、「入れすぎたかな?」と思ったら、すぐに白を足して薄めるように教えるのがポイントです。日に焼けた肌にしたい場合は、黄色や赤を少し増やしたり、青をほんの少しだけ混ぜてみるなど、実験感覚で色々な肌色作りに挑戦するのも楽しい学びになります。
全部を混ぜてしまわず、パレットの上で少しずつ色を足していくと、顔の明るい部分と暗い部分を塗り分けることもできるようになります。楽しみながら色の不思議を体験させてあげてくださいね。
中学生が知りたいリアルな肌色の表現

中学生になると、よりデッサン力や観察眼が養われ、単純な肌色ではなく、もっとリアルな人間の肌を表現したいという欲求が高まってきます。ここでは、一歩進んだ肌色表現のテクニックについて解説します。
リアルな肌を描く上で重要なのは、「肌は単一の色ではない」と理解することです。
私たちの肌の下には血管が走り、骨格によって凹凸があります。光の当たり方や、その人の体調によっても肌の色は微妙に変化します。例えば、以下のような多様な色が肌には含まれています。
- 皮膚の薄い部分(目元など):青や紫がかった色
- 血色の良い部分(頬、耳たぶ):赤やピンクがかった色
- 脂肪の多い部分(額、顎):黄色がかった色
- 影になる部分:青、紫、緑などが混ざった複雑な色
影の色に深みを出す

小学生のうちは影を黒や茶色で表現しがちですが、これでは絵が平面的になってしまいます。リアルな影を表現するには、ベースの肌色に「青」や「紫」、そして補色である「緑」を微量に混ぜるのが効果的です。
これにより、影に色の深みと透明感が生まれ、肌全体の立体感が格段に向上します。最初は恐れずに、ほんの少しだけ混ぜて色の変化を試してみてください。
男性の肌の表現

男性の顎周りなど、髭が生える部分は少し青緑がかって見えます。肌色にコバルトブルーやビリジアンなどを微量混ぜて薄く塗ることで、リアルな質感を表現することができます。
自分の顔を鏡でじっくり観察したり、写真資料を参考にしたりして、肌に隠された多様な色を見つけ出すことが、リアルな人物画への第一歩です。
理想の絵の具の肌色の作り方のポイント
- 肌色の基本は赤・黄・白の3色を混ぜて作る
- 白色をベースに赤と黄色を少しずつ加えるのが失敗しないコツ
- 三原色(赤・黄・青)だけでも健康的な肌色は作れる
- 三原色で肌色を作る際は青の量に細心の注意を払う
- 作った肌色に青や紫を混ぜると色白で透明感のある肌になる
- オレンジや茶色を足すと日焼けした温かみのある肌になる
- 市販の「うすだいだい色」は旧称「はだいろ」のこと
- 市販の色は便利だが単調になりやすいため調整が必要
- 透明水彩では白を使わず水の量で明るさを調整する
- 紙の白地を活かすことで透明感と輝きが表現できる
- 水彩絵の具の「重色」は色に深みを出す重要なテクニック
- アクリル絵の具は速乾性と不透明性が特徴で修正が容易
- アニメやイラスト風のハッキリした塗り方にアクリルは適している
- 小学生には「白がいっぱい、黄色がちょっと、赤はほんのちょっぴり」と教える
- 中学生は影の色に補色を使いリアルな立体感を追求する

